2017-09-11

カオダイ教寺院とクチトンネルツアー

ベトナムにはカオダイ教という聞きなれない名前の宗教が存在している。カオダイ教は儒教、道教、仏教、キリスト教、イスラム教の教えを土台にしている宗教。その殆どの信者が、ホーチミンから約100km離れたタイニン省というところに住んでおり、そこには総本山があるというので、絶対に観に行きたかった。

個人でいくには大変そうだったので、ツアーでいくことに。カオダイ教だけにいくツアーを見つけられなかったので、ベトナム戦争の時の南ベトナム解放戦線の兵士がゲリラ戦の根拠地としたクチトンネルも併せて見学した。

ツアーはTNKトラベルで288,000ドン(約1,440円 ※2万ドン=100円)。英語ガイドと水付きで入場料込み、お昼を挟むが昼は自腹。

朝出発して、バンでカンボジアの国境方面へ向かっていく。
その大通りはカンボジアとの輸出入をする人が多く通るらしく、しかもバイクで運搬する人が多い。道沿いにはハンモックがたくさんぶら下げてあるコーヒーショップが多く並び、ここが運搬者の休憩所となっているそうだ。屋根がないので星空が綺麗に見えることから、1000星ホテルと言われているとか。

カオダイ教の総本山に向かう前に1度トイレ休憩を兼ねた、障害者のクラフトワーク施設に寄る。そこからまた再度出発。

総本山は結構カラフルだった。

若干フリーメイソンっぽさを感じさせるマーク

入り口に入ると信者の人に案内されながら、建物の中をぐるっと一周する。まず入った時言われたのは、写真は撮ってもいいけど信者を尊重すること、だったのであんまりバシバシ撮れなかった。入り口には5つの各宗教の神様と思われる絵が描いてあった。
寺院の真ん中に結構派手めな装飾と球体があり、そこに描かれている目が、カオダイの神様の目だということだ。

信者は基本的に白い服を着ており、それ以外に赤、青、黄色の服を着ている人たちが、5つのうちどれかの宗教を意味している。どの色が何教かは忘れてしまった。
12時になるとその人たちを筆頭に儀式が始まり、信者が続々と寺院の中に入ってくる。それを遠目から見学することができたが、やはり信者も周りにいるのでちょっと緊張した。

この地域に住む人の7割が信者ということで、むしろ残りの3割の人たちは馴染めているのかしら、と思う。小さい子達も結構いて、親が信者なら、信者になる以外の選択肢なさそうだなーと思った。周辺はこの白い服を着た人が普通に自転車に乗っていたりもして、普段の生活が気になったが、そこまでいろいろ話す時間はなく、儀式を見ただけで終わってしまった。

そこからまた移動し、クチトンネルへ行った。
ベトナム戦争時の地下のネットワークとして作られたもので、全長約200km。南ベトナム解放戦線(ベトコン)がここで暮らし、武器を作り、罠を仕掛け戦いの拠点としていた場所だという。
ガイドの人は南ベトナム出身だから、北ベトナムに対する感情が何かありそうに思った。ホーチミンのことはずっとサイゴンと呼んでいた。ただベトナム戦争自体に対する感情はまた違いそうで、クチトンネルではかなり古典的な(しかしとても残酷な)罠が多く、そういうお金がない中でも工夫して最終的にはアメリカ軍を撤退させたんだ、というニュアンスの話が多く思った。

今は見学のために整備されている森になっており、トンネルの一部に入ることができた。これは見学用に入り口が作られているが、中は本物。

腰を折らないと進めない。私はまだいいが、欧米系の人たちにはかなり辛そうだった。

まずこのトンネルを200km近く作ったということも信じられないが、かなりいろんな方面に張り巡らされていて、例えば道に急にある小さい入り口(普段は枯葉で覆われている)から入り、すぐ近くの出口に出ることができる。実際に入ってみると、今だからだが、かなり楽しかった。トンネルを探検しているような気持ちになるから。でも本当に使われていたと思うと、複雑である。

すっごく狭い入り口に見えるが、190cmくらいある大柄の男性もどうにか入れてた。

中に会議をするスペースや病院もあったそうだ。
爆弾が落とされた跡地や、その残骸も残されていた。ベトナム戦争は終わりをサイゴン陥落とすると1975年。自分は生まれてないないけど、枯れ葉剤の影響の子供や、その戦争の写真など有名なものが多く、割と最近起きた出来事であるという認識がある。
改めてその戦争の背景や流れを見直してみると、どんどんいろんな国が巻き込まれていって、最悪なことになったという感じで、ベトナムに来る上で、その戦争に関する何かを知ることはとてもよかったと思った。

施設を見学した後に、一緒にツアーにいたアメリカ人に「What did you think?」と聞かれたが、単純にトンネルが楽しかったという気持ちと、戦争への気持ちもいろいろありうまく答えられない、と答えてしまった。今思えば、アメリカ人であるあなたはどう思うの?と聞けばよかった。

そんなところを見学した後に待ってるのは、実弾を撃てる施設。安価で銃が撃てるということで、参加の半分くらいの人がやっていた。私はなんか銃を撃つ木にはなれなかったのでやらず。
銃を撃つとものすごい音がするということだけがわかった。

ホーチミンに着くともう暗い。丸一日かかるツアーだったが、参加してよかったと思った。
夜のホーチミンのファングーラオ(バックパッカーエリア)は本当にカオスで、客引きの女性がたくさん道に出て飲んでいかないかーと誘っていた。しかもほとんどの店が満席。ビールはだいたい普通の店でも150円くらいで飲めるから、そりゃそうなるよねって思った。こういう時は友達と来てたらどんなによいことか。

このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿