ベルベル人のお宅に到着しお昼を食べた。太陽が真上に来ていて、後から聞いたら気温は50度だったらしい。
家の中は当然日陰だから強い日差しを浴びる事はないが、とにかく暑い。日本の暑さとは全然違う。日本は蒸し暑いけど、砂漠はからっとしている。じめじめしていないだけまだましだけど、気温は高いからずっと汗がでていた。何が一番身近なものに近いだろう、サウナかな・・・。
時折吹く風も熱風で、とにかく涼しくなれるものがないの、なにも。これは正直1人で参加してたら心折れていたかもしれない。他に2人がいたから気がまぎれて乗り切れたと思う。
暑いから当然のどが乾く。でも持ってきた水も全てぬるくなっていて、飲んでも潤わない。水をがぶ飲みしたい暑さなのに水がぬるくて飲む気にならない、そんな気分になった。しかも水を少しでも冷たくする方法として、水のボトルに布を巻いて、ぬるい水をその上からかける。布が濡れて、多少冷たさを保てるという方法だ。でも気持ちの問題で、実際はぬるい。
暑いから外に出る元気がなくて、砂漠だからやることがなくて、ひたすら家の中で寝ていた。砂漠に住む人たちはこれが毎日と思うと本当に信じられない。
家にはモハメドさんのお母さんとお父さんと妹がいた。妹とお父さんは双眼鏡でひたすらアルジェリアとの国境を眺めていた。たまに誰かが通るのが面白いらしい。お母さんは外に絨毯をひいてずっと横になっていた。羊を沢山飼っていて、モハメドさんはたまに世話をしていた。
最初から砂漠に生まれていたら普通のことが、私たちにとってはとても珍しい事。最初から与えられていなければ、求める事もないのだろうか。それともうらやむものなのだろうか。私はこうして世界を好きに旅して、冷たい水をいつでも飲めて、暑ければエアコンをつける。私は残念ながら砂漠には絶対に住めないと思う、違いすぎる。でも砂漠に暮らす事がどういうことなのか、ほんのひとかけらだけど触れる事ができて良かったと思う。どっちが恵まれているのか、そんな議論が、いやそもそも論点がナンセンスだと思った。
自分のものさしで勝手に計って、自分がいかに恵まれているかということがわかった、という感想はあまりにも浅すぎる。なんて表現すれば的確なのかがわからなく、上手く書けないけど、ここで生まれた人たちはずっとこうやって暮らして来たんだという事実をありのままに、「あ、そうなんだ」って初めて普通に受け止められたというか。
今までは特に中南米はずっと自分の文化との違いに驚き(当然今でも驚いていて)、日本って恵まれてるなくらい思ってた(それもまた事実でもあるが)けど、そうじゃなくて、ここではこうなのよ、ただそれだけだよ、っていう感じ。
とはいえここのおうちは、観光客向けに家を開放しているわけだから、またちょっと生粋のノマドの人たちとは違うのだろうけど。
さあそして、本当に暑さの限界になったところで、モハメドさんから水の素敵プレゼント。
井戸水をまずは羊達に。すごい勢いで飲んでいた。
そして人間たちに。頭からかぶった。水はすごい!
またひたすら何もしない時間が続き、日も落ちて来たので、外で寝たり、手紙を書いたりしていた。ラクダって首をおろすとなんか違う動物みたい。
日が沈んだ。
夜はクスクスを作ってくれたのでそれを食べた。
こんなことを書くのもなんだけど、トイレは砂漠のどこでもだった。家の周りには一応草が生えていたから、ちょっと隠れるスペースはあって、それでもなんかちょっとさすがに落ち着かなかったけど。
寝る前にトイレに行って、懐中電灯は持っていたものの、帰り道を間違えて100mくらい離れた隣の家に行ってしまった。子ども達が外で寝ていて、私が間違えて来たもんだからなぜか大爆笑。ジェスチャーであっちだよとだいぶ遠くを指差されて、どうにかたどり着いたけど、これやっぱり簡単に行方不明になれる。
夜は少し曇っていて前日のような満天の星ではなかったけど、空の下で寝ることもなかなかないから気持ちがよかった。日が出ていない分暑さは軽減しているけど、外で布団もなしにごろ寝できる暑さだった。
3日目に続く。
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