2017-03-12

この旅最後の長距離バス移動 アルーシャ行き

朝5時にホテルを出発してバス乗り場を探す。アルーシャ行きは65,000シリング(約4,290円 ※100シリング=6.6円)だった。
まだ暗くて、誰がスタッフなのか分からず、色んな人が「このバスはアルーシャ行きだ」と言うから誰を信じていいのかわからなかった。

確実にスタッフっぽい人がアルーシャ行きの人を集めていたので、バスに乗り込んだ。席は2列シートだったので少し余裕がある。自分のリュックを頭上の荷物入れに入れて、出発を待つ。この旅最後の長距離バス移動になる。絶対にここで盗難などにあいたくないから、周りにも注意しながら乗った。

出発後、途中途中で人がどんどん乗って来てあっという間に満席というか、床までいっぱいになった。タンザニアはバスの評判がかなり悪く、大幅な遅れは当たり前、事故も多いため、夜間のバス運行は禁止されていると聞いていた。
早速その洗礼をあびることとなった。まず出発して少し経つと何度もバスが不自然な場所で止まり、エンジンをふかしては少し様子を見てまた出発、そしてまた止まる、ということを繰り返していた。

隣に座っていた女の子は「タンザニアのバスはたくさん問題があるのよ」と呆れていた。その子は私の髪に興味津々で、触りたいというので触らせると、とても楽しそうだった。確かにアフリカの人は天然のストレートの髪という人はおらず、みな縮れ髪だからアイロンでのばすか、ウィッグをつけるかという感じだった。

バスはついにどこかの町の修理工場に入り、2時間くらいずっと修理をしていた。乗客は皆外に出てその様子を見たり、男の人たちは自分も修理に参加したり、面白い光景だった。これがタンザニアのバスかと思った。

修理が終わって出発したと思ったら、またすぐにエンジンが止まってしまった。このままたどり着けるのかどうか、少し不安になってきた。
休憩や故障でのストップが多かったから、バスにずっと乗ってなくてすんだのはよかったけど。

検問があると、その手前で床に座っている人が全員降ろされて、検問を抜けたところにバスが停まり、またそこに床に座っていた人たちが戻ってくるという、謎の光景を何度も見た。多分定員以上人を乗せてはいけないのかもしれない。
モロッコの長距離バスでも定員以上乗せたバスは検問のとき、床に立っていた人が全員かくれるようにしゃがんでいた。
そう思うと、意外と南米の長距離バスが一番快適だったかもしれない。スピード出しすぎない、席も広くて快適、時間に大幅な遅れもない。

そうこうしているうちに結局夜になっていた。夜はバスの走行が禁止されているはずだが、なぜかずっと走り続けていた。タイムスケジュール上は夜走っていないことにはなっているからだろうか。
夜の12時頃にやっとモシ(Moshi)に到着した。こんな時間に到着するのであれば、モシ行きをやめて良かったと思った。

モシからアルーシャは地図で見る限りそんなに遠くない。もう少しでやっと到着できると、安心感が少し湧いて来た。が、その数時間後またバスが止まり、今度は何かと思ったら、ガス欠だった。確かに1度もガソリンスタンドに寄っていない気がした。

あたりに何もない場所でどうするのかと思ったら、結構時間がたってから、誰が連絡したのか、バイクに乗ってガソリンをタンクに入れて持って来た。なんだか明るくなり始めた頃、その人がヒーローかのように、タンクを嬉しそうに持って来たのをみて、本当におかしかった。

色々トラブルがあったけど朝の7時にアルーシャ(Arusha)に到着した。事故らずに無事に着いただけでもすごいことなのかもしれない。よく考えたらガソリンタンクで、しかもバイクで持って来たら危ないわ。

アルーシャでは泊まりたいホテルを決めていた。サファリのツアー会社と一緒になっているホテルで、ターミナルからは近そうだから、朝だし歩いていこうと思っていた。
タクシーの運転手が、すでに女性客を得ていて、相乗りしていかないかと言ってきたが、断った。
地図を見てから動こうと少し立ち止まると酔っぱらいみたいな人が寄って来て、私の荷物を持っていこうとした。あわてて取り返すと、なんか絡んできそうな、とにかく異様な雰囲気を持った人だということは分かった。

どうしようか考えていると先ほどのタクシー運転手が戻って来て、私をタクシーに乗せた。酔っぱらいは少し怒ってタクシーに近寄って来たが、同乗していた女性がお金を酔っぱらいに渡して立ち去らせた。
運転手は、この女性が私をタクシーに乗せてやってくれと言ったんだ、と。助かった。油断は禁物である。


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