2019-10-03

14年後のサグラダファミリア

バルセロナ(Barcelona)といえばやはりサグラダファミリアである。あまりにも有名なガウディの未完の作品。一時期は複雑な建築であるがゆえ、資金不足で完成まで300年かかると言われていたが、拝観料の徴収と3D構造解析技術の発達により2026年には完成すると言われているらしい。それでも建設し始めてからは、140年以上が経っているが。

2003年に見に来た時よりもかなり工事が進んでいたので驚いた。前に来た時は、確かに300年はかかるよなーと思っていたけど、今見たらもう出来上がりそうな勢いだ。

サグラダファミリアに関しては、事前予約は必須だと思う。朝から当日入場の列ができているくらいなので、入れるのかもしれないが列には並ばないと行けないし、11月のオフシーズンですら結構な列だった。
https://tickets.sagradafamilia.org/en

チケットを買う時には教会内部のみを見学するチケットもあるが、塔にも上りたい場合にはSagrada Familia with Towersというチケットを購入する必要がある。こちらは日本語のオーディオもついているのでおすすめ。29ユーロ(約3,857円 ※1ユーロ=133円)
2017年のサグラダファミリア
2017年の外観。こちらがよく写真などに使われる側で、ガウディがまだ生きていた頃に建築された生誕のファサードと呼ばれる塔。

こちらは2003年の外観。
2003年のサグラダファミリア
全くもって同じアングルじゃないため違いがわかりにくいけど、左右や背後の建築物が2003年の時点ではほとんどない状態だった。

生誕のファサードの門は日本人の外尾悦郎さんという方が製作したものだ。日本人が関わっているというのは有名な話だが、彼は現在も芸術工房監督として他の彫刻にも携わっている。
生誕の門

門は葉がモチーフだが、中に虫が紛れていたりして面白い。
生誕の門のカブトムシ

生誕のファサードはキリストの生誕を描いた彫刻になっていて、遠くから見ると彫刻があるというのがわかりにくいが、近くで見るとかなり色々な物語が彫ってあるのである。真ん中に彫られているのは、キリスト生誕と喜びの彫刻だ。
生誕のファサードの彫刻

早速中に入る。2003年当時はまだこんな感じだった。工事中のため中の見学は許可されていなかったのだ。
2003年のサグラダファミリア内部

天井部分が少しだけできていたが、これがどうなるのかなんて想像できなかった。
サグラダファミリア柱

中に入ってかなり驚いた。完全に完成している!というのと、森をイメージした空間で柱は木になり、グラデーションになったステンドグラスは森の中にいて感じられる色々な色のようだった。
2017年のサグラダファミリア

サグラダファミリアステンドグラス

サグラダファミリアステンドグラス2

そして中央にはキリスト像。そしてその下には礼拝堂があり、礼拝堂は信者のみが入場可能。ここにはガウディの遺体も埋葬されているという。
サグラダファミリアのキリスト像

サグラダファミリアの礼拝堂

そして生誕のファサードの塔を上る。エレベーターで一気に上までいき、歩いて降りてくるという感じだ。正直塔に上ったからといって何か特別なものが見える訳ではない。昔来た時は塔にしか上れなかったので、すでに行ったことがあったがここに関しては特に変わりばえがしなかった。

塔からはサグラダファミリアの生誕のファサードのシンボルとも呼べる生命の木が真横から見れる。
生命の木

そして現在も建築中のフルーツのようなオブジェも。
サグラダファミリアフルーツオブジェ

これが生誕のファサードの背面と側面になる訳だが、2003年はまだこういうものの面影すらなく、反対側の受難のファサードが見えていた。
サグラダファミリア2003年
14年でここまで変わったというべきか、14年でここまでしか進んでないというべきか。

そして2003年当時、受難のファサードはほぼ外から見てもよくわからなかったと記憶しているが、今回は全然違っていた。
受難のファサード
受難のファサードは生誕のファサードとテーマも真逆で、キリストの苦悩や悲しみをイメージして、ガウディの死後に製作されたそうだ。
彫刻も角ばった感じのものが多く、ちょっと怖い印象を受けた。

受難のファサードのナンバープレート
この数字のプレートは、縦横斜めどう足しても33になる。33という数字はキリストが磔の刑で死んだ年齢でもあり、復活した年齢でもある。33という数字の理由は明確になっていないが、他のガウディ作品でも33という数字が出て来たり、ちょっとした謎を呼んでいるようだ。

ガウディはサグラダファミリアに全精力を注ぎ、中に篭って仕事をしていたため、身なりなどもかなりボロボロだったそうだ。その格好のまま、ミサに出かける途中に路面電車にひかれてしまった。あまりにボロボロの格好だったため浮浪者に間違われて、手当が遅れたために亡くなったとされている。

サグラダファミリアは実は色々な手続きに不備があり、建築許可のない違法工事であったことが2006年になって発覚した。約46億円を支払うことにより、2019年にようやく合法工事として扱われることになったらしい。

実際にガウディが作成した設計図などは、死後に起きた内戦で完全なものではなくなってしまったらしい。だから今建築されているのは、ガウディの考えを推測して製作されているものなのだ。
もしガウディが生きていたらできたものは自分が考えていたものと程遠いと思うのか、よくできたと思うのか、どっちなんだろう。
それでもガウディが亡くなっても誰かが意思を継ぎ、こんなに有名になった近年にですら問題が色々起きる中、ここまで完成に近づいたというのは単純にすごいと思うし、感動がある。

バルセロナ滞在:2017年11月12日〜15日
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