活火山は今までの旅中に2回(グアテマラのパカヤ火山とガラパゴス諸島のシエラネグラ火山)見に行ったが、どれもマグマが吹き出しているところではなかったので、カルデラをわりと近くから見たり、熱気でマシュマロを焼いたりして楽しかったのだが、せっかくハワイに来たのだからマグマが吹き出し、溶岩が流れているところを見たいと思った。
ハワイ島は活火山が2つあり、現在も地下では溶岩が流れ続けて海まで出て来ている。流れ出た溶岩が固まっていくため、島の面積は年々広くなっていっているそうだ。
溶岩が海に流れてくるところを船で接近しながら見るLava Tourというのがあり、最初はそれに参加しようかなと思っていたが、流れ出て来たものを見るだけなのは自分が見たいものとは違うと思ってやめた。(そして2018年には接近した船に溶岩の塊が当たって重傷者を出すという事故があったから、今なら余計に選ばないと思う)
というわけでのんびりとハワイ火山国立公園へ行くことにした。車がないから民宿ヒロの車で連れてってもらうツアーを申し込んだ。入場料なども含めて100ドル(約11,200円 ※1ドル=112円)。
最初は火山とは関係なく、マカダミアナッツのお土産で有名なマウナロアの工場へ。実際マウナロアはハワイ火山国立公園にある火山の名前でもある。
工場までの長い道の両脇は全てマカダミアナッツの木だそうで、その広さに驚いた。写真じゃわかりにくいが、背の高い木の後ろにとにかくずっと畑が広がっている。
マカダミアナッツの実はめちゃくちゃ硬くて2重構造になっているそうだ。実際に足で思い切り踏みつけても割れなかった。
工場の裏に庭があって、ハワイ独特の植物が色々あったりして、そういうのを見るのもなかなか楽しかった。
そしてハワイ火山国立公園へ。先ほど名前の出たマウナロア火山と、キラウエア火山の二つが並んでおり、そこ全体が国立公園になっている。
今回見に行くのはキラウエア火山だ。夜にならないとマグマの様子は見えないけど、まずは明るいうちに一度行った。
公園に入ると蒸気が吹き出ているところなどもあり、草が生え草原になっているところもあり、その中に急に溶岩で固まった黒い土地が現れる。真ん中に火口があるのがわかる。まだ煙が出ているだけという見た目。
ハワイにはたくさんの神話があるが、このキラウエア火山にはペレという女神の神話がある。ペレは火山の神様だが、自由奔放で凶暴、そして美しいと言われている。火山が噴火するときにはペレが怒ったから、というのがハワイでは通説らしい。
火口の周辺にはオヒアレフアという木がたくさん植わっていた。
この木にもペレに関する神話があり、オヒアとレフアという恋人がいたが、ペレがオヒアに一目惚れして求愛したが断られてしまい、怒ってオヒアを木に変えてしまった。
レフアはオヒアを想い深い悲しみに暮れていたため、それを見てかわいそうに思ったペレがレフアをオヒアの木の花に変えてやり、二人はずっと一緒にいることができた、という話だ。
めでたしめでたしっぽいけどよく考えたらペレの奔放さを際立たせる話でもある。
この火口以外にも国立公園にはたくさんのスポットがある。続いて行ったのはサーストン溶岩トンネル。
ここは溶岩が流れて行くうちに外側が外気に触れて固まり、中が空洞になったことで洞窟になった場所らしい。宿のオーナーが説明してくれたが、なぜそうなるのかあまりよくわからなかった。
この周辺は全部シダで覆われていて、洞窟の中にもシダの根っこが入り込んでいた。シダがすごすぎて全然違う世界に来たみたい。
国立公園の中を走っている間に、この火山からなる土地の仕組みを少しだけ教えてもらった。火口から海に向かって地下を溶岩が通り、海に出て土地が広がる。その通った跡に地下が空洞になり地表が陥没してしまうところがいくつもあるそうだ。
そして車で公園内にある海岸沿いに向かった。この辺りはほとんど溶岩混じりの土地だ。
海辺に出ると、そこは溶岩が海に流れ出た場所だった。溶岩が海に当たり、中側だけが空洞になりアーチ状になっている。
公園内はかなり広いから色々見て回っているだけで夕方になってしまう。そして暗くなったので再度火口付近へ。真っ暗な中に赤く火が灯っているようだった。まさにマグマが吹き出している色だ。こんなに赤いのかと純粋に驚く。
暗いから写真は難しかったが、実際に目で見ると遠いけども、火に魅せられる気持ちがわかるくらい魅力的な場所だった。旅の中で何度も自然に魅せられて、そこに神様が宿ると信じられる気持ちは理解できる。そしてここでも火に神様が宿ると言われるのは分かる気がした。
火口が見えるポイントの近くには資料館があり、火山の成り立ちやペレについても色々説明があり面白い。ペレの髪の毛と呼ばれる、噴火時に溶岩が空気に触れると作られる物質も展示されていた。
私が行ったのは2017年の12月だが、その後2018年5月にこのキラウエア火山は噴火し大きな被害をもたらした。ペレは何に怒ったのだろう。
この日は本当に唯一天候に恵まれた日だったからよかった。火口から帰るときに土砂降りの雨に会い、前が見えないくらい降っていたので車が怖かった。
この前日マウナケアという山に星空観測に行った。オニヅカセンターという標高2800mくらいのところだから天気が悪くても、ここまでくれば大体星は観れると言われていた。しかし全くの曇りだったのだ。天気系でこんなについていないことは滅多にないのだが、宿の人に「もう一度来てということじゃないか」と言われてそう思うことにした。
マウナケアではシルバーソードという世界でハワイとヒマラヤにしかないという植物を見た。実物は本当に銀色で驚く。
写真はないが、ここでも神を祀るような場所があったりと、本当にハワイとその自然と神様の結びつきみたいなものを色々感じた。日本も自然と神様の結びつきって色々なところであって、そういうところも日本人移民がこちらに来たときに心地よさを感じる一つでもあったのかもしれない。
ヒロ滞在:2017年11月29日〜12月3日
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ハワイ島は活火山が2つあり、現在も地下では溶岩が流れ続けて海まで出て来ている。流れ出た溶岩が固まっていくため、島の面積は年々広くなっていっているそうだ。
溶岩が海に流れてくるところを船で接近しながら見るLava Tourというのがあり、最初はそれに参加しようかなと思っていたが、流れ出て来たものを見るだけなのは自分が見たいものとは違うと思ってやめた。(そして2018年には接近した船に溶岩の塊が当たって重傷者を出すという事故があったから、今なら余計に選ばないと思う)
というわけでのんびりとハワイ火山国立公園へ行くことにした。車がないから民宿ヒロの車で連れてってもらうツアーを申し込んだ。入場料なども含めて100ドル(約11,200円 ※1ドル=112円)。
最初は火山とは関係なく、マカダミアナッツのお土産で有名なマウナロアの工場へ。実際マウナロアはハワイ火山国立公園にある火山の名前でもある。
工場までの長い道の両脇は全てマカダミアナッツの木だそうで、その広さに驚いた。写真じゃわかりにくいが、背の高い木の後ろにとにかくずっと畑が広がっている。
マカダミアナッツの実はめちゃくちゃ硬くて2重構造になっているそうだ。実際に足で思い切り踏みつけても割れなかった。
工場の裏に庭があって、ハワイ独特の植物が色々あったりして、そういうのを見るのもなかなか楽しかった。
そしてハワイ火山国立公園へ。先ほど名前の出たマウナロア火山と、キラウエア火山の二つが並んでおり、そこ全体が国立公園になっている。
今回見に行くのはキラウエア火山だ。夜にならないとマグマの様子は見えないけど、まずは明るいうちに一度行った。
公園に入ると蒸気が吹き出ているところなどもあり、草が生え草原になっているところもあり、その中に急に溶岩で固まった黒い土地が現れる。真ん中に火口があるのがわかる。まだ煙が出ているだけという見た目。
ハワイにはたくさんの神話があるが、このキラウエア火山にはペレという女神の神話がある。ペレは火山の神様だが、自由奔放で凶暴、そして美しいと言われている。火山が噴火するときにはペレが怒ったから、というのがハワイでは通説らしい。
火口の周辺にはオヒアレフアという木がたくさん植わっていた。
この木にもペレに関する神話があり、オヒアとレフアという恋人がいたが、ペレがオヒアに一目惚れして求愛したが断られてしまい、怒ってオヒアを木に変えてしまった。
レフアはオヒアを想い深い悲しみに暮れていたため、それを見てかわいそうに思ったペレがレフアをオヒアの木の花に変えてやり、二人はずっと一緒にいることができた、という話だ。
めでたしめでたしっぽいけどよく考えたらペレの奔放さを際立たせる話でもある。
この火口以外にも国立公園にはたくさんのスポットがある。続いて行ったのはサーストン溶岩トンネル。
ここは溶岩が流れて行くうちに外側が外気に触れて固まり、中が空洞になったことで洞窟になった場所らしい。宿のオーナーが説明してくれたが、なぜそうなるのかあまりよくわからなかった。
この周辺は全部シダで覆われていて、洞窟の中にもシダの根っこが入り込んでいた。シダがすごすぎて全然違う世界に来たみたい。
国立公園の中を走っている間に、この火山からなる土地の仕組みを少しだけ教えてもらった。火口から海に向かって地下を溶岩が通り、海に出て土地が広がる。その通った跡に地下が空洞になり地表が陥没してしまうところがいくつもあるそうだ。
そして車で公園内にある海岸沿いに向かった。この辺りはほとんど溶岩混じりの土地だ。
海辺に出ると、そこは溶岩が海に流れ出た場所だった。溶岩が海に当たり、中側だけが空洞になりアーチ状になっている。
公園内はかなり広いから色々見て回っているだけで夕方になってしまう。そして暗くなったので再度火口付近へ。真っ暗な中に赤く火が灯っているようだった。まさにマグマが吹き出している色だ。こんなに赤いのかと純粋に驚く。
暗いから写真は難しかったが、実際に目で見ると遠いけども、火に魅せられる気持ちがわかるくらい魅力的な場所だった。旅の中で何度も自然に魅せられて、そこに神様が宿ると信じられる気持ちは理解できる。そしてここでも火に神様が宿ると言われるのは分かる気がした。
火口が見えるポイントの近くには資料館があり、火山の成り立ちやペレについても色々説明があり面白い。ペレの髪の毛と呼ばれる、噴火時に溶岩が空気に触れると作られる物質も展示されていた。
私が行ったのは2017年の12月だが、その後2018年5月にこのキラウエア火山は噴火し大きな被害をもたらした。ペレは何に怒ったのだろう。
この日は本当に唯一天候に恵まれた日だったからよかった。火口から帰るときに土砂降りの雨に会い、前が見えないくらい降っていたので車が怖かった。
この前日マウナケアという山に星空観測に行った。オニヅカセンターという標高2800mくらいのところだから天気が悪くても、ここまでくれば大体星は観れると言われていた。しかし全くの曇りだったのだ。天気系でこんなについていないことは滅多にないのだが、宿の人に「もう一度来てということじゃないか」と言われてそう思うことにした。
マウナケアではシルバーソードという世界でハワイとヒマラヤにしかないという植物を見た。実物は本当に銀色で驚く。
写真はないが、ここでも神を祀るような場所があったりと、本当にハワイとその自然と神様の結びつきみたいなものを色々感じた。日本も自然と神様の結びつきって色々なところであって、そういうところも日本人移民がこちらに来たときに心地よさを感じる一つでもあったのかもしれない。
ヒロ滞在:2017年11月29日〜12月3日
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