釜山(Busan)にあり街中からかなり近くて日帰りで満喫できる甘川(カムチョン)文化村へ行ってみた。
カラフルな家々が丘の上に並び、その姿から韓国のマチュピチュとも呼ばれているらしい。海外のインスタ映えスポットみたいな特集があれば必ず出てきそうなところである。
見た目の面白さはもちろんあるのだが、この村は歴史が面白い。
朝鮮戦争の際に南北が分断され、難民となった人たちがいて、その避難民と、その中でも太極道という民間信仰団体の人たちが約4,000人移り住んできたのが最初だそうだ。
このように難民になり貧しい生活を強いられる人々が、土地を買うお金もなく、人が住まないような山の上や傾斜に家を建てて集落化した場所を、韓国ではタルトンネと言う。スラム街みたいな感じだと思う。
タルトンネ自体は朝鮮戦争の負の遺産のように韓国の至る所にあったが、近代化でなくなりつつあり、今は逆に珍しいものとしてあえて見に行く人がいる場所になった。甘川はその一つである。
当時はいわゆる掘っ建て小屋に、細い路地と階段、それでもこの甘川文化村の建物は斜面の前に建つ建物が後ろの建物を隠さないように配慮して作られたり、貧しい中でもお互いを思いやる気持ちを持ちながら生活していた、みたいなことが書かれていた。
さらに甘川文化村は、2009年に地元のアーティストと住人が協力してパブリックアートプロジェクトを発足。その際に住居環境の整備やアート作品を設置することにより、今では年間30万人が訪れる観光名所になったという。
タルトンネ自体の歴史的価値みたいなものにプラスして、現代的な要素もあり本当に良い成功例なんだろうなと思った。
行き方は地下鉄で南浦駅から土城(トソン)駅まで行き、外に出て釜山大学病院前にあるバス停から1-1,2,2-2のどれかに乗る。甘川小学校で降りる。
全部ハングルだからよく分からないが、かなりの坂をずっと上がり、10分くらいしてその坂を上がり切ったら甘川小学校だと思えば良いと思う。お客さんも結構降りるのでわかりやすい。
バスは1100ウォン(約110円 1000ウォン=100円)。
到着するとすぐに街並みが見えるが、言うほどカラフルではない。いかに世の中の写真が加工されすぎているかよくわかる。
早速散策してみると、平日の昼間だったからか、ほとんど人がいなくて、お店もあまり開いていなかったから、ゆっくりとみることができた。
町を見下ろせるようにぐるりと道路がひいてあり、そこから下っていくと集落の内部に迷い込むことができる。
ところどころに色んなアート作品があり、すごく不思議な場所だった。
集落の中は歩き回ってもいいが、人が普通に住んでいるから、写真もなかなか撮りづらい状況だった。本当に迷路のように細い道が色んなところに繋がっていて、散策するのは楽しかった。
休みの日など混雑の時期は、写真スポットで並んだりするらしい。そこまでして撮る必要あるかなあというものが多かった気がしたが...
2時間くらいあればだいたいゆっくり歩いて見て回れる規模感。帰りもまたバスで土城駅まで戻った。
ホテルに戻ってのんびりしていると、夜中にドミトリーの同室に韓国人の女の子が一人増えた。
夜遅いけど、別に寝てなかったから少し話してみると、ソウルから就職活動で釜山に来ているということだった。英語がほとんど喋れない子だったが、どうにか単語を繋げて会話になった。こちらは韓国語は全く分からないのだが、すごくゆっくり韓国語を話してくれて、それでももちろん分からないんだけど、それに優しさを感じた。割と色んな国で、現地の言葉分からないと言うと、すごくゆっくり話してくれることがあるんだけど、それでも本当に分からないから申し訳なくなる。
その子はお母さんに女性なんだから仕事ではなく結婚しろと言われているらしく、自分自身もそれで悩んでいると言っていた。何歳だったんだろう、日本でもありそうな悩みだなと思った。
釜山を後にして次は全州へ。
釜山滞在:2017年9月25日〜28日
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カラフルな家々が丘の上に並び、その姿から韓国のマチュピチュとも呼ばれているらしい。海外のインスタ映えスポットみたいな特集があれば必ず出てきそうなところである。
見た目の面白さはもちろんあるのだが、この村は歴史が面白い。
朝鮮戦争の際に南北が分断され、難民となった人たちがいて、その避難民と、その中でも太極道という民間信仰団体の人たちが約4,000人移り住んできたのが最初だそうだ。
このように難民になり貧しい生活を強いられる人々が、土地を買うお金もなく、人が住まないような山の上や傾斜に家を建てて集落化した場所を、韓国ではタルトンネと言う。スラム街みたいな感じだと思う。
タルトンネ自体は朝鮮戦争の負の遺産のように韓国の至る所にあったが、近代化でなくなりつつあり、今は逆に珍しいものとしてあえて見に行く人がいる場所になった。甘川はその一つである。
当時はいわゆる掘っ建て小屋に、細い路地と階段、それでもこの甘川文化村の建物は斜面の前に建つ建物が後ろの建物を隠さないように配慮して作られたり、貧しい中でもお互いを思いやる気持ちを持ちながら生活していた、みたいなことが書かれていた。
さらに甘川文化村は、2009年に地元のアーティストと住人が協力してパブリックアートプロジェクトを発足。その際に住居環境の整備やアート作品を設置することにより、今では年間30万人が訪れる観光名所になったという。
タルトンネ自体の歴史的価値みたいなものにプラスして、現代的な要素もあり本当に良い成功例なんだろうなと思った。
行き方は地下鉄で南浦駅から土城(トソン)駅まで行き、外に出て釜山大学病院前にあるバス停から1-1,2,2-2のどれかに乗る。甘川小学校で降りる。
全部ハングルだからよく分からないが、かなりの坂をずっと上がり、10分くらいしてその坂を上がり切ったら甘川小学校だと思えば良いと思う。お客さんも結構降りるのでわかりやすい。
バスは1100ウォン(約110円 1000ウォン=100円)。
到着するとすぐに街並みが見えるが、言うほどカラフルではない。いかに世の中の写真が加工されすぎているかよくわかる。
早速散策してみると、平日の昼間だったからか、ほとんど人がいなくて、お店もあまり開いていなかったから、ゆっくりとみることができた。
町を見下ろせるようにぐるりと道路がひいてあり、そこから下っていくと集落の内部に迷い込むことができる。
ところどころに色んなアート作品があり、すごく不思議な場所だった。
集落の中は歩き回ってもいいが、人が普通に住んでいるから、写真もなかなか撮りづらい状況だった。本当に迷路のように細い道が色んなところに繋がっていて、散策するのは楽しかった。
休みの日など混雑の時期は、写真スポットで並んだりするらしい。そこまでして撮る必要あるかなあというものが多かった気がしたが...
2時間くらいあればだいたいゆっくり歩いて見て回れる規模感。帰りもまたバスで土城駅まで戻った。
ホテルに戻ってのんびりしていると、夜中にドミトリーの同室に韓国人の女の子が一人増えた。
夜遅いけど、別に寝てなかったから少し話してみると、ソウルから就職活動で釜山に来ているということだった。英語がほとんど喋れない子だったが、どうにか単語を繋げて会話になった。こちらは韓国語は全く分からないのだが、すごくゆっくり韓国語を話してくれて、それでももちろん分からないんだけど、それに優しさを感じた。割と色んな国で、現地の言葉分からないと言うと、すごくゆっくり話してくれることがあるんだけど、それでも本当に分からないから申し訳なくなる。
その子はお母さんに女性なんだから仕事ではなく結婚しろと言われているらしく、自分自身もそれで悩んでいると言っていた。何歳だったんだろう、日本でもありそうな悩みだなと思った。
釜山を後にして次は全州へ。
釜山滞在:2017年9月25日〜28日
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