2019-09-25

コルドバの歴史を知る

コルドバ(Cordoba)の町を散策しながらも、他にも観光名所と呼ばれる場所も色々見て来た。中でもメスキータと呼ばれるモスクは歴史も含めてかなり興味深かった。

メスキータはスペイン語でモスクという意味だが、この建物は今はキリスト教の礼拝しか認められていない。
アラブがこの地域を統治していた時代に作られて、その時はもちろんイスラム教のモスクとして作られたのだが、その後カトリックが統治した際には建物を壊すのではなく、中をキリスト教の教会っぽく改築したのだった。その改築時にもイスラム教っぽい装飾を全て壊すことなく、うまく融合させてしまったという感じで、今となれば世にも珍しい場所のようになっている。

実際、近代になってからはキリスト教とイスラム教の2つの教徒が中で礼拝することができていたらしいが、2000年からキリスト教のみの礼拝となったそうだ。
スペインで法律が変わり、それまで所有権が誰にもなかった教会など公共の建物を登録し財産化することが進められ、その際に教会側が誰も所有権を持っていなかったメスキータ登録をして、自分たちで所有権を持つように変えたことでそうなったそうだ。登録の費用はたった30ユーロ(約3,990円 ※1ユーロ=133円)だったことから、30ユーロで教会を買ったと結構騒動になったそうだ。

また8ユーロ(1,064円)の入場料で年間100万人が入場するが、入場料は全て教会への寄付という扱いのため免税され、さらに建物としての歴史的価値から所有などにかかる税金も免税されているらしく、単に金のなる木を手に入れたと批判されていたりもする。教会側の言い分もまたいろいろあるみたいだが、現地ガイドの人は割と批判的に話していた。

私と友達はいろいろ調べた結果、早朝なら無料で入場できることを知り、朝早くから教会に出かけた。
8時半から9時半は礼拝のために入る人が無料で入場できるということなのだが、礼拝する人よりは観光客が圧倒的に多かった。もちろん人を選ばないので礼拝をしなくても入れる。そしてイスラム教の人も礼拝にも来ていたのを見かけたので、実際はゆるい感じなのだろうか。

朝日がちょうど昇る頃で、まだあまり人がいないメスキータの周辺はとても美しかった。
メスキータ

コルドバの朝

メスキータの外側の見た目はキリスト教教会っぽさは全然ない。モスクという感じだ。
メスキータ外見

扉はアラビックな感じするけど、扉の上に描かれているのはキリストや天使。
メスキータ外見2

写真を綺麗に撮りたいならば、開門の8時半に行くのがいいと思う。9時半までの間に結局結構人が来るため、写真に人が写り込まずに一番綺麗に撮れるのは8時半からの数分だけなのだ。

中に入ると本当に圧巻だった。
メスキータ内部

メスキータ内部2
このアーチ状の装飾が本当にすごい。そしてこれはイスラム教的な装飾なのに、カトリック統治時代に壊されなかったのも驚きだ、こんなに象徴的なのに。

このアーチや曲線を利用した装飾はイスラム教的だが、キリスト像がそれの下にあるというとても不思議な場所だった。
メスキータ内部4

この辺の装飾はキリスト教っぽい。
メスキータ内部3

ちょっとわかりにくいけど、天井の装飾はイスラム教的なのに、窓にはキリスト教教会のステンドグラスだ。
メスキータ内部5

そこまで広い内部ではないのだが、とにかく見るところが多くというか、見ているだけでいろんなことを考えさせるところが多く、本当に行って良かったところの1つだと思う。

メスキータを見学し終わってからすぐに朝10時から始まるコルドバのフリーツアーに参加した。先ほど記載した30ユーロで買われた話はそのガイドの人から教えてもらったのだ。
8時半からメスキータに行って、10時からフリーツアーというのがかなり黄金プランな気がしている。

すでに前日町をある程度見ていたが、やはり知らないところにいろいろ連れて行ってもらえて、説明も豊富だから面白かった。中でもスペインには2箇所にしかないシナゴーク(ユダヤ教の教会)にも行けてとても良かったと思う。
コルドバのシナゴーク

フリーツアーが終わった後はアルカサルというお城の見学をした。ここもイスラムとキリストの融合が見られるお城だ。コルドバの歴史が文化にそのまま反映されているからなんだけども、面白い。

アルカサル
アルカサルの入場は4.5ユーロ(約598円)

ここはキリスト教時代に作られたが、アラブ支配の時代に拡張され、またキリスト教支配に戻ったが壊されることなく使われ、その後は要塞になったり刑務所になったり、いろんな歴史を辿って来た場所らしい。

でももうメスキータほど融合がわかりやすい場所ではなかったのもあって、自分たちの興味は庭園に向いた。
アルカサル庭園
ザ・ヨーロッパの庭園という感じの漫画に出て来そうなところで本当に楽しかった。

お城の中や町中にもみかんの木がたくさんあった。スペインといえばオレンジというイメージがあるから、こんな風に本当にたくさんあるんだ、とちょっと感動。でもこれらは苦いオレンジで、マーマレードにしかならないらしい。
コルドバのオレンジの木

スペインといえばバルだが、過去に一人でスペインに来た時には入りにくくてちゃんとしたところには行けなかった。今回は2人だから、散策中に目星をつけていた店に入った。
おじさんの社交場という感じだったが、とても良い店だった。何よりコスパが良すぎる。
bodega guzman
Bodega Guzman(地図
ハモンセラーノ、アヒージョ、オリーブにお酒を1杯ずつ頼んで12ユーロ(約1,596円)。量はどれも多いし、美味しいし、本当に良い店。

コルドバは本当に思い出に残る場所になった。またスペインに来たら行きたい場所。

コルドバ滞在:2017年11月7日〜9日

このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿